サステイナビリティ研究教育機構の発足にあたって
2009年8月1日、法政大学サステイナビリティ研究教育機構が、大学院レベルの研究・教育の高度化に取り組む新しい全学的組織として発足しました。
サステイナビリティ(持続可能性)は、現代社会の直面する課題を理解し、21世紀の世界の進むべき道を示す鍵概念です。気候変動問題や資源枯渇問題など、環境サステイナビリティの危機をどのようにして解決していくのか。金融危機を克服してサステイナブルな経済システムや経営システムをいかに実現していくのか。公的債務の膨大な累積の中で、福祉サービスのサステイナビリティをいかに達成していくのか。これらの問題群は相互に連動しており、問題の解明と解決のために、総合的な視点、取り組み、政策が必要です。
これまで、本学では「自由と進歩」の建学の精神に立脚し、グリーンユニバーシテイの理念のもと環境憲章を制定し(1999年)、大学院環境マネジメント研究科、政策科学研究科環境政策プログラム、エコ地域デザイン研究所などにおいて、環境サステイナビリティに直結する研究・教育に取り組んできました。
本研究教育機構は、環境サステイナビリティをコアのテーマとしながら、経済システムや福祉システムのサステイナビリティをも対象として含む広義のサステイナビリティ研究を課題としており、発足時点で本学大学院14研究科のうち11研究科の教員、院生が参加しています。 本研究機構は、設立時において、20の研究チームが参加する5つの研究プロジェクトと3つの事業プロジェクトを設定し、つぎの諸理念のもとに、研究教育活動を推進していきます。
- 総合大学の特徴を生かした文理協働
人文科学、社会科学、自然科学(理工系、生物系)の広範な諸分野にわたる各研究科の研究者、院生の交流と協働のもとに、研究・教育活動を進めます。 - 大学院レベルの教育と研究活動の融合による若手研究者の育成
大学院生を積極的に、ポス・ドク(PD)、ドクター・キャンディデート(DC)、リサーチ・アシスタント(RA)として雇用し、博士論文執筆のサポート体制を構築することによって、次の時代を担う若手研究者を育成していきます。 - 国際的な連携と情報発信
本学における国際連携の実績(国際コロキアム東京、国際的環境教育プログラム(YES:Youth Encounter on Sustainability)など)を継承しながら、サステイナビリティをテーマにした国際交流を活発化し、海外諸機関・諸大学との連携を豊富化し、国際的な情報発信を進めます。
本機構では、ニュースレターや定期刊行物をとおして、機構の取り組みを紹介するとともに、各プロジェクトの研究成果を発表して行きます。
本機構は、大学の使命である研究と教育の水準向上をとおして、サステイナブルな社会の実現のために貢献するべく、同様の問題意識と志向性を有する諸機関・諸団体・諸個人との交流・連携を拡大し深めていきたいと願っています。
2009年10月1日
舩橋 晴俊
(サステイナビリティ研究教育機構機構長)